1965年生




 急遽開催が決まった。
 2025年5月、金重巖というものづくりは暦を一周まわった。さあ新しい暦を刻むべくと、前へ向かう気持ちとは裏腹に長年彼の身体と心を苦しめて来た黒い影が忍び寄る。父・道明氏が刻んだ齢の影に怯え、自身の未熟さを感じながら、家族をも苦しめてきた道程。60年の時を刻んだその影に、彼自身真正面に立つ覚悟がようやく出来たようだ。
 必然なのか、偶然なのか、覚悟なのか、啓示なのか、だから生まれて来たのか、否全くの的外れな店主の想いなのか。
 60の歳に35回目の頒布会を開催する。彼の覚悟が、安寧の時を刻むことを願って。
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